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#4 アンチドーピングとスポーツファーマシスト

みなさんこんにちは!前回に引き続きスポーツファーマシストの資格をお持ちのF薬剤師にお話しを伺いました。第2回目は禁止物質の分類についてです。

「WADA禁止表について」

WADA禁止表はWADA(World Anti-Doping Agency:世界アンチドーピング機関)が策定したスポーツにおいて禁止される物質、方法について定めたものであり、全世界共通のルールです。この禁止表を基に判断されます。禁止表は少なくとも毎年1月1日に更新されるため、常に最新の情報収集が必要です。

「禁止表の分類について」

禁止表は3つの内容に分類されています。

①常に禁止されている物質と方法
②競技会検査で禁止される物質と方法
③特定の競技において禁止される物質

①は競技会(時)に関係なく禁止されている物質や方法について記載されています。
ここでは筋肉の発達に作用のあるものや酸素運搬能力(持久力)を向上させる作用があるものについて記載されています。その他に、気管支喘息の治療薬にも使用されるβ刺激薬や隠蔽・体重コントロール目的とされる利尿剤も該当します。
β刺激薬の一部の薬剤については定められている範囲の用法用量であれば使用が可能となります。治療目的としてβ刺激薬や利尿剤が処方されることもあるので注意が必要です。

②は競技会(時)のみに使用が禁止される物質、方法について記載されています。
競技会(時)とは国際競技連盟又はその他の関係するアンチドーピング機関の規定に別段の定めがない限り、競技者が参加する予定の競技会の前日の真夜中(午後11:59)に開始され、当該競技会及び競技会に関係する検体採取過程の終了までの期間を言います。つまりその期間において使用が禁止されているものになります。
ここでは興奮薬や糖質コルチコイドなどが該当します。市販薬の風邪薬や鼻炎治療薬に含まれている場合もあるので、意図しないドーピングを起こしやすいセクションでもあり、安易な使用に注意が必要です。

③は特定の競技において禁止される物質について記載されています。
ここではβ遮断薬が該当します。
β遮断薬には交感神経を遮断し、緊張を緩和する作用があります。つまり標的を狙い、1点集中が必要となる競技(アーチェリーや射撃等)においては禁止されることになります。
競技の内容によっては禁止となる物質もあるため、注意が必要です。

F薬剤師ありがとうございました。前回より、深い内容になってきましたね。 お薬について不安がある方はお気軽に薬剤師にお問い合わせください!

次回は全3回の最終回となります。内容はよくある質問や「こんなときはどうすればいいの?」にお答えしていきます。お楽しみに!

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