令和6年9月 春秋園だより「季節の移ろい」について

 花を見たり、旬な食べ物を食べたり。私たちは普段から、季節の移り変わりを感じ、それらにすこしずつ癒されながら生活しているように思います。

 デイケアの送迎車内からは、街の景色が見えます。玄関から庭にかけて鮮やかなバラの花が咲いているお宅があります。思わず、「見事なお庭ですね」というと、「妻が趣味でガーデニングをやってるんです」とお話しされていました。

 利用者様で若いころ山歩きが趣味だった方がいます。いろいろな山の思い出を語られます。『奥山に もみぢふみわけ 鳴く鹿の・・』というと、続けて『声聞くときぞ 秋は悲しき』と返していただけました。今は身体が不自由になっていけないけれど、山歩きをしていた頃を思い出して楽しそうに語ります。

 利用者様たちにとって、季節の移り変わりを感じる機会は少なくなりがちです。施設内の室温は年中、ほぼ一定に保たれていますので「建物の中にいると、外の暑さ寒さがわからない」と話す方々もいます。 そのような中にあっても、季節を感じていただけるよう、食やレクなどに日々工夫を凝らしています。例えば、天の川をイメージした冷やし中華(七夕)やうなぎ(土用の丑の日)など、行事に合わせたメニューを提供したり、塗り絵や壁画などで季節感のある作品を作ったりしています。

 これらのことを話題のきっかけに、窓から見える空や景色の日常のちょっとした変化を共有したりしながら、利用者様と季節の移ろいを楽しみたいと思います。

(春秋園スタッフ一同)