2024年6月1日付で前院長の田宮　洋一先生の後任として、新潟西蒲メディカルセンタ－病院の院長に就任いたしました。この場をお借りして新任のご挨拶を申し上げます。

　当院は旧巻町国民健康保険病院の跡地に2008年8月に開院いたしました。「良質な医療と介護サービスの提供」を目標とし、地域密着型病院として地域医療に貢献することを目指しております。許可病床数は165床で4病棟（一般病棟1、療養病棟3）からなり、旧巻町から介護老人保健施設「槇の里」、訪問看護ステーションも同時に引き継いでおります。この地域における当院の役割は、急性期後、軽度急性期、回復期、慢性期医療への対応、および看取りであり、外来ではデイケア、訪問看護およびリハビリテ－ションを行うことです。「この地域の患者さんはできるだけこの地域で診る」を使命としておりますが、残念ながら救急搬送の4人に1人は新潟市または長岡市に搬送されているのが現状です。

　団塊の世代が後期高齢者となる2025年以降は多死社会を迎え、西蒲区でも75歳以上の人口が増加する見込みです。将来を見据え、「増大する後期高齢者の医療・介護等」が必要となります。当院には寝たきりで意思の疎通もできず経管栄養を行っている方が多くおられます。自分の意思で経管栄養を選択した方は稀で、ほとんどはご家族が選択した方です。また、ご高齢で様々な合併疾患を有している方が多く、心肺停止時に人工呼吸や心臓マッサージを希望する方はほとんどおられません。昨今は老健や特養、高齢者向け住宅など介護系の施設での看取りを希望される方も増えております。国も在宅医療の促進に力を入れており、この傾向はますます強くなると思われます。地域包括ケアシステムを推進する国の方針に従い、地元の医療・介護施設とネットワークを作り、地域医療に貢献していけたら幸いです。

　「笑顔が絶えない明るい病院」「癒やされる病院」「地域から感謝され信頼される病院」を目指し、地域の方々に寄り添いながら思いやりのある医療を提供していきたいと思います。住民の方々、医療・介護・行政関係者の方々にはご理解ご支援ならびに変わらぬご愛顧を賜ります様、重ねてお願い申し上げます。

新潟西蒲メディカルセンター病院
院長　梨本　篤