消化器・肝臓病センターは消化器、肝臓病の先端医療を行うために2003年10月に立ち上げられ、現在7名の医師で診療を行っております。
消化器内科(消化管、肝臓、胆膵)、消化器外科から成り立っており、食道・胃・小腸・大腸などの消化管と、肝臓・膵臓・胆嚢に関連する疾患の診断及び治療を行います。
- 2007年より日本消化器内視鏡学会の指導施設となりました。
- 2010年より日本消化器病学会の認定施設となりました。
- 2012年4月1日より宮崎県肝疾患専門医療機関に指定されました。
- 2013年2月1日より日本カプセル内視鏡学会の指導施設となりました。
- 2016年より日本肝臓学会の認定施設となりました。
消化器・肝臓内科
肝臓部門 肝臓部門は3名の常勤、1名の非常勤の肝臓内科医が主に診療にあたっています。
様々な肝臓病の診療を行っていますが、特にA型、B型、C型肝炎ウイルスなどによる急性肝炎・重症肝炎およびB型、C型肝炎ウイルスによる慢性肝炎・肝硬変・肝癌の患者さんを多数診療しています。最新の抗ウイルス剤を用いた治療や情報提供も順次行っています。最近では、非B非C型の肝硬変、肝がんの患者さんも増加し、様々な治療を行っています。
食生活の欧米化に伴い、肥満や生活習慣病が増加し、最近では非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)/非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の患者さんも増加しており、NAFLD/NASHの診療や生活習慣の改善を考慮した治療にも積極的に取り組んでいます。
その他、自己免疫性肝疾患(原発性胆汁性肝硬変や自己免疫性肝炎など)、遺伝性肝疾患(ウィルソン病など)、アルコール性肝疾患、体質性黄疸など、肝臓病全般について診療を行っています。
当院では、ドプラ超音波診断装置、超音波内視鏡検査、マルチスライスCT、腹部血管造影検査(写真)などで肝疾患の詳細な診断が可能です。
それらの機器を駆使し、肝細胞癌に対するラジオ波腫瘍焼灼術や肝動脈化学塞栓療法をはじめとした最先端の医療を提供しています。食道胃静脈瘤治療(EISやEVL治療など)は消化管部門と連携して、外科治療の必要な肝細胞癌症例などでは、消化器外科とも連携して治療を行っています。
消化管部門 消化管部門は1名の常勤の消化器専門医が診療にあたっています。
上部消化管内視鏡や大腸内視鏡検査は毎日行っており、最新のハイビジョンシステムを用いた内視鏡検査(通常の内視鏡検査、拡大内視鏡、超音波内視鏡)、消化管造影検査に加え、内視鏡的治療としてポリープや癌に対する粘膜切除術(EMR)、切開剥離術(ESD)、消化管出血に対する止血術などを行っています。食道胃静脈瘤に対する治療は肝臓部門と連携し内視鏡的硬化療法(EIS)や内視鏡的結紮術(EVL)を行っています。
また、当院は小腸鏡の専門病院です。
2004年9月からダブルバルーン小腸内視鏡を導入し、これまでに750件以上(2015年3月現在)の検査を行っています。
これまで暗黒の臓器と言われていた小腸疾患においても内視鏡的止血術、ポリープ切除術、狭窄拡張術などの治療も行っております。
ダブルバルーン内視鏡は小腸検査のみならず大腸内視鏡挿入困難であった方でも苦痛が少なく検査を行うことができます。
さらに2008年から小腸カプセル内視鏡を導入し、これまでに186件(2015年3月現在)以上の小腸カプセル内視鏡を行っています。
また、潰瘍性大腸炎やクローン病、ベーチェット病などの炎症性腸疾患に対する専門外来も行っており、生物学的製剤(レミケード、ヒュミラ)、免疫調節剤(アザチオプリン、メルカプトプリン、タクロリムスなど)の投与、白血球除去療法(LCAP、GCAP)なども行っています。
胆道・膵部門 胆道・膵疾患は消化器内科1名および消化器外科2名で診療にあたっています。
主な対象疾患は急性胆管炎・胆嚢炎、総胆管結石、膵炎、膵癌・胆道癌となります。
急性胆管炎・胆嚢炎は緊急の処置を必要とする疾患でもあり、 内視鏡的処置(ENBD: 内視鏡的経鼻胆道ドレナージ、ERBD:内視鏡的逆行性胆道ドレナージ)を積極的に行なっています。
内視鏡的なアプローチが困難な場合には経皮経肝胆管ドレナージ(PTCD)や経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)にて対処しています。
総胆管結石に対しては内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)あるいは内視鏡的乳頭切開術(EST)を施行し、結石を除去します。
胆道系悪性疾患に伴う胆管狭窄に対しては胆管金属ステント留置を、十二指腸浸潤にともなう狭窄に対しては十二指腸金属ステント留置も行っております。
また、胆道癌・膵癌に対する全身化学療法も積極的に行なっています。
■ダブルバルーン内視鏡
■血管造影
■小腸カプセル内視鏡 |
- 当センターは最新の医療検査機器(マルチスライスCT、ドプラ超音波診断装置、 電子内視鏡ビデオシステム、カプセル内視鏡システム、腹部血管造影装置など)を導入しており、消化器(肝臓・消化管・胆嚢・膵臓)の疾患を専門的に診療する施設です。県内外の各医療機関および宮崎大学附属病院と連携し、最先端の医療を提供いたします。
消化器・一般外科
消化器肝臓病センターの外科部門として、消化管(胃・十二指腸・小腸・大腸)や肝臓、胆のう、胆道、膵臓などの消化器疾患を中心とした外科的治療を行っております。特に、肝臓がんに対する手術件数の割合が高いのが当科の特徴となっています。
消化器内科との密な連携により、患者様の年齢や体力、各臓器の状態を考慮し、患者様のご希望に添えるよう、適切な治療方針を決定していきます。その上で、手術などの外科的な治療が必要な患者様には、可能な限り身体への負担が少なく、安全な術式・治療法を提案しています。
また、消化器以外の疾患に対する外科的治療にも対応していますので、ご相談ください。
本センターは宮崎の消化器・肝臓病の先端医療を行う責務を負った病院と考えており、今後も地域医療に貢献できるように頑張っています。
一般社団法人National Clinical Database (NCD)の手術・治療情報データベース事業への参加について
診療科目
一般消化器外来
- 消化管内科
- 消化管外科
- 肝臓内科
- 肝臓外科
- 胆膵
専門外来
- 肝臓
- IBD(炎症性腸疾患)
- 小腸疾患(カプセル内視鏡
- ダブルバルーン内視鏡)