新年 明けましておめでとうございます。
日本晴れのすがすがしい正月三が日でした。皆さまにおかれましては、新たな決意で一年のスタートを切られたことと存じます。
終わりの見えない国家間の戦争や紛争、政治の不安定、温暖化の影響などに加え、AIの急速な発展による生活や思考の変化などなど、世界そして私たちは今、混迷の中にあります。「ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきはテキサスで竜巻を引き起こす」の例えの通り、世界の片隅で起きた些細なことでさえ、私たちの生活に影響を及ぼす時代になりました。
医療界を取り巻く環境も、これまで以上に厳しくなっていきます。物価高が収まる気配はなく経費が増加する一方で、診療報酬という公定価格に縛られた収入は次回改定まで据え置かれたままです。経営はますます圧迫され、医療機関の倒産が現実味を帯びてくる状況にあります。“2025年問題”という言葉に象徴される超高齢化社会と労働者不足にも直面します。この年末年始、基幹病院の救急センターには高齢者の救急搬送が相次ぎました。この救急医療の崩壊を招きかねない高齢者救急への対応や医療従事者不足による診療縮小など、難題が山積しています。
「この時代」に「この地」に存在している宮崎医療センター病院が果たすべき役割は何か?ということを常に考え、“地域社会に貢献していく”という強い決意をもって活動していくことが、当院の「信頼」と「存在意義」を醸成していくものと信じています。
世界保健機関(WHO)のロゴにもあるように、蛇は医療・医術の象徴とされています。この巳(ヘビ)年、医療界にも明るい話題がたくさんもたらされることを願ってやみません。
皆さまにとって健康で笑顔の多い一年であることを心から祈念いたします。本年もよろしくお願いいたします。
病院長 田畑 直人